コンポーネント

【特許から予想する】新型カンパニョーロ13速化?

シマノの新デュラエースR9200?R10000?では半無線化と12速化、更にマイクロスプライン化による10Tの採用が特許から読み解れました。

カンパニョーロは既に12速化したスーパーレコードやレコードを販売しています。ところが最近興味深いフリーボディのニュースが飛び込んできました。

詳しくはBike News Magさんの記事を参照して頂ければ幸いです。

記事によるとフリーボディを小さくし13速化を目指していると書かれていますが、そういった意図があるのかどういう機構かを特許から予想したいと思います。

スプロケットの新構造

まずはこちらの図を見てください。

カンパニョーロの最新特許に記載のスプロケットの構造です。段数を数えてみると、12段になっています。一方、最小のトップは10歯で構成されています。

現行の12速の最小トップは11Tなので、こちらは新しくデザインされたスプロケットだと分かります!

デュラエースの記事でもお伝えした通り、10Tを入れるメリットはフロントを54Tから50Tなどの小さなものにできるという点です。そのおかげでコンポーネントの重量を軽くすることができるようになります。

ただ10Tを入れるデメリットとしては、現在のフリーボディではその直径が大きすぎて10Tを使うことができません。ではフリーボディを小さくすれば良いとなるのですが、すると今度はラチェットの機構をすべて見直す必要が出てき、かつ大きなトルクがかかる部分の直径を小さくしてしまうことは、より強いトルクに耐える構造が必要となります。

現行のフリーボディでもモノによってはスプロケットが噛み込んでしまうことが見られているので、そのままの素材・構造でフリーボディを小さくしてしまうと、よりこの現象がみられるのは明白です。

コリマ困った(゚Д゚;) フリーボディにスプロケが食い込んだ! | Boriko ...
スプロケットがフリーボディに噛み込み、リングが取れなくなった図

シマノはその点を素材などの見直しで対応したようですが、カンパニョーロは新しいアイデアで特許出願をしています。

テーパー型フリーボディ

名称が特に定められていなかったので、勝手に付けましたが、テーパー型フリーボディと呼ばせて下さい。

一体どういう構造かと言うと、

このようにフリーボディの一部をカットオフして、短いフリーボディとし、少なくとも小さい方の歯3枚をセットにして、テーパーがかかるような構造にしています。

だからこそ長さの調節できるフリーボディをカンパニョーロはリリースしてきたのでしょう。

今まで小さいほうの歯はすべて一枚ずつの構成となっていましたが、少なくとも3枚組にすることで、フリーボディに直接連結させる必要のない構造です。その結果、フリーボディの直径よりも小さい径のスプロケットを作ることができます。

特許には10Tよりも小さな9Tやそれ以下も可能であると記載されていました。

テーパーの掛け方もいくつか考案されており、階段状にしたFig12や、内側に大きな構造体をもつFig15などが記載されていました。

更にスプロケットのボディの構造を見ると、すべての歯が一つのボディの上に乗っているような構造になっているかもしれません。

従来のシマノのスプロケットとのように歯がそれぞれ独立しているのではなく、一体型としてしまうことで、部分的にフリーボディに支えられていなくても、問題ない構造のように見えます。

パワーメータ付きクランク

シマノが先行してパワーメータ付きクランクを自社で販売していますが、カンパニョーロはまだ自社製品を出していません。

ところが特許を検索しているとパワーメータ付きクランクを検討しているようです。

左クランクの中にひずみゲージを入れた、今では一般的なパワーメータ付きクランクです。

当然ドライブ側の右クランクも同様にひずみゲージを持たせたデュアルサイドのパワーメータのようです。

特許上は共願になっていないので、独自開発と思われます。

シマノのパワーメータ、なんとも微妙な評判ですが、カンパニョーロのパワーメータはどうでしょうね…後発ですし、良いものであれば純正品も検討できますね!

ワイヤレス化

別特許でシフトのワイヤレス化に関する特許も見つかりました。

STIからのシフトのシグナルをワイヤレスでコミュニケーションデバイスと呼ばれるところに送り、コントローラーがそれを受信し、各ディレーラーにシグナルを送るようです。

各社ワイヤレス化を加速させてきましたね。

ワイヤレス化させることで、フレーム内のケーブルルーティンを考える必要がなくなり、フレームの設計がより簡素になります。そのメリットは価格の低下もあるでしょうし、フレーム内部の構造の最適化にも繋がると期待できます!

加えて、ちょっと僕良く分かってないんですが、チェーンの位置を磁石をつかったセンサーで読んでいるようです。

アウターの時とインナーの時でチェーンがディレーラーアームを通る位置が違うことを利用して、この図の14と14A、12Aと12をつかってチェーンがアウターにあるのかインナーにあるのかを検知しています。

一体それが何に重要なのか分かりませんが、この機構がワイヤレス化には重要なのでしょうか?

まとめ

新型カンパニョーロのコンポーネントは、おそらく13速化ではなく、12速のまま10T以下の小さなスプロケットを使うことができるようになります。

またパワーメータ付きクランクも登場し、ワイヤレス化も達成されそうです。

個人的にはカンパニョーロはどちらかと言えば最新技術!というより、イタリアの美!というイメージが強いので、機械式が好きです。

最新技術で突っ走るのはスラムやシマノなのかなと。

ただもちろん売り上げ的にそうも言ってられないので、電動化(EPS)やパワーメータ付きクランク、無線化などをカンパニョーロも追随しようとしているのでしょうね。

発売まではまだ時間がかかりそうですが、カンパニョーロファンで最新技術がお好きな人はぜひお楽しみに!

参考資料