フレーム

S-works Tarmac SL7レビュー

多くの方がもう既にたくさんレビュー書いて下さっていますが、皆さんアマチュアトップレベルの方々ばかりで、付いていけない…。

界王拳5倍で登るような猛者たちにとって新型Tarmac SL7は神器のようですが、果たしてFTP4倍程度の平凡アマチュアサイクリストにとってどうなのか?

レビューしてみたいと思います。

S-works Tarmac SL7レビューの前提

兎にも角にも、前提は重要です。

インプレッション書いて下さってる方の中には、ご自身の身長や体重、FTP、フレームサイズやステムサイズなどなしに語られている方もいらっしゃいますが、僕はそれは正直、あまり参考にならないと思ってます。

例えば、同じフレームサイズ52で、身長170cmとしても、体重50kgでFTP5倍(250w)のモンスターか、体重70kgでFTP3.5倍(245w)って全く違う話だと思いませんか?

体重50kgのFTP5倍(250w)と体重70kgのFTP5倍(350w)でも全く違う話だとも思います。

なので、できるだけ自分の能力に近い人のレビューだけが参考になるのではないかと。

前置きが長くなりましたが、僕は170cm、60kg、FTP4倍(240w)のちょっと頑張ってるサイクリストのコアゾーンみたいな人です。

バイクは、S-works Tarmac SL7 52サイズ、12度110mmステム、400mmエアロフライ2ハンドル、PowerArcサドルです。

ホイールはDura-ace C40、タイヤはIRC旧RBCCチューブレス前6.2Bar後6.5Barです。

車重は測ってませんが、ボトルケージ、サイコン、ペダル込みで7.0kgくらいかと思います。

前バイク、ピナレロドグマF8から載せ替えになるので、ホイールは一緒の為、この構成でフレームの比較ができるかなと重いっています。

乗り心地

これは多くの方も書かれていますが、良くはないです。

特別悪いとも思いませんが、決して乗り心地の良いバイクではないです。

路面の凹凸はチューブレス6Bar台で運用してても拾うので、そこそこしっかり拾っちゃってるなーという感じです。

手が疲れるとかそれほどではないんですが…。

直進性

Vengeの時に比べても全く遜色ないです。

試乗で49を乗った時はステム80mmというのも相まって、めちゃくちゃピーキーに感じましたが、自分のポジションにして乗ると、そんなピーキーさは感じませんでした。

ペダリング

そんなフレームによってペダリングの感じ方なんて変わるかいな…と思ってたんですが、このTarmac SL7だけはこれまで乗ってきたロードバイクの中でも異色の感じでした。

平坦でそこそこ踏んでいるときに感じたのは、Vengeの時は1時から踏み始めると、ウイップして3時とか4時になってからドン!と伸びる感じでした。

一方Tarmac SL7は1時に踏むと、もうスン!と反応して加速し始める感覚がありました。

おそらくダウンチューブがVengeの時より細くなっている分、たわみ量が減って、反応性の良さに繋がっているのかなと思います。

一方、このたわみの少なさは、登坂でのペダリングを変えるきっかけになってしまいました。

登坂

僕はどちらかと言えば、トルクをかけて低ケイデンスで登る方でした。

VengeもDogmaもそれで登ることができましたが、Tarmac SL7は全くそれでは登ることができませんでした。

ケイデンスを落とすと、パワーの少なさから、ダウンチューブをしならせることができず、ウイップがなくなってしまいました。

一方、ケイデンスを上げて、一回一回の入力を小さくすれば、それはダウンチューブがしなるようなウイップのある走りというより、むしろしならず硬さを求める走り方で、それにはぴったり合っていました。

ただこれは、パワーの絶対値の低さから、こういった走り方をせざるを得ないということだと思います。

プロ選手のFTPを考えると、登りで重要な場面で300w以下で走ることなどなく、400w以上もバンバン出しています。

そのくらいパワ-を掛けられるのであれば、おそらくちゃんとしなって、ウイップのある走りができるんでしょう。

スプリント

スプリントは素晴らしかったです。

ペダリングの時にも言ったように、1時からすぐにパン!と反応してくれるので、急なアタックに全く遅れることなく付いていけます。

また僕ごときでは900wくらいしかでないんですが、そのくらいで踏んでも、ほんとに全くよれているような気配もなく、Vengeのしなって登る感じとはまた違いますが、スッスッと伸びていってくれます。

VengeがゴリマッチョのハンマーならTarmac SL7はフェンシングのレイピアです!

Vengeが豚骨ラーメンならTarmac SL7はあっさり塩です!

Vengeが夏至ならTarmac SL7は冬至です!(?)

ダウンヒル

ダウンヒルは良かったです!Vengeの時に感じたどんどん加速されていく感じは受け継がれていますし、ブレーキングでもフロントフォークがしっかりしているのでよれてターンインしづらいなんてこともありませんでした。

ただ路面があまり良くなかったので倒し切ってガンガン攻めるような下りはまだ経験していません。

まとめ

一言で言うならば

「宝の持ち腐れ」

です。

僕ごときでは、少なくとも今のところ、こいつの良さを全然引き出せていません。

今までいろんなロードバイクを乗ってきましたが、こんなことを思ったロードバイクは初めてです。

S-worksだからでしょ、と思われた方、Proもカーボンの素材が異なるだけで、剛性感は一緒とのことなので、同じだと思います。

Expertはどうなのか?良いかもしれない。

なので、うーん、体重のあるパワーの絶対値が高いライダーにはオススメかもしれません。70kgくらいあれば、5倍でアタックしているとき

Tarmac SL7は「おいしいところは300w以上から?」が僕の今のところの結論です。

トレーニングがんばろ…