コンポーネント

【特許から予想する】デュラエースR9200、無線化?12速化?

新デュラエースとなるR9200(または100周年にちなんでR10000?)は東京オリンピックがあるはずだった2020年にお披露目して、2021年からデリバリ-を開始する予定です。

デュラエースと言えば、シマノの最高級グレードのコンポーネントです。憧れますよね。買える値段か分かりませんが、どんなものなのかは知りたくないですか?

Bistariaさん(@bistarai785)のブログ「bistarai」でも新デュラエースの記事が取り上げられています。多くの方が関心のあるトピックスではないでしょうか?

2021年3月23日シマノは会社創立100周年 デュラエースR9200は?

1921年(大正10年)創業のシマノは、2021年3月23日に創業100周年を迎えます。 自転車業界のインテルとまで言われているシマノ。先ずはめでたい。 創業100周年の記念すべき日に向けてカウントダウンが始まっています。 この記念すべき日に、何かいいことありそうな気がしませんか? 例えば・・・ 何の根拠も情報源もない個人の憶測です。しかし期待が膨らみませんか? …

色んな噂がありますが、その噂を特許を読んで確認していきましょう。

12速化

スラムやカンパニョーロが既に12速化を果たしていることをご存知だと思います。現行のデュラエースはまだ11速です。

というわけで、ハイ、次は12速化します。って書いてあるブログが多いんですが、そんな雑な!

もうちょっと確認してみましょう。

これは2019年に公開になったシマノの公開特許公報です。

TDはDiameter of tooth bottom=歯底の外径です。これを見るとTD1~TD12まであり12枚あることが分かります。つまり、12速ということです!

12速化は自然な流れとは言え、これで確信をもって新型デュラエース9200は12速で間違いないと言えますね。

マイクロスプライン化のメリット

マイクロスプラインとはシマノが開発した新たなフリーボディです。XTRというマウンテンバイク用のコンポーネントで採用されており、マウンテンバイクではすでに12速化されています。

なぜ新たにフリーボディを開発したのかというと、10Tを使いたかったからです。

こちらも同特許の12枚目の歯の絵です。歯の数は10枚で、10Tになることが分かります。

現行デュラエースの最小のスプロケット歯は11Tです。よく28-11とか30-11みたいな数字でスプロケットを語りますが、その11のことです。11個歯が付いているという意味になります。

これが10Tになるとどうなるかというと、おおよそフロントが54Tのアウターリングで11Tのトップに入れる時と、フロント50Tのアウターリングで10Tのトップに入れる時では同じくらいの速度になります。

ロードバイクは軽い方が良いにも関わらず、スピードを出すためにプロでは54Tといった大きなチェーンリングを使わなければなりませんでした。それ以上に56Tなどを使うときもありました。

10Tが使えるようになるとフロントが50Tまたは52Tで良くなるので、その分小さくなり、軽くなります!コンパクトクランクが初心者用みたいに言われていますが、それがベーシックになります!

マイクロスプライン化のデメリット

シマノはなぜマイクロスプラインハブをオープン規格にしなかったのだろう

一方デメリットは、僕たち消費者です。

恐らくマイクロスプライン化に伴い、現行の11速用ホイールは使えなくなってしまいます。厳密にいうと、リムは使えるのでハブをそのマイクロスプライン用の物に変えれば使えますが、いずれにせよ費用のかかることです。

ディスクブレーキ化でロードバイクを一新された方も多いのではないでしょうか。フレーム、コンポーネント、ホイールとすべて買い替えが必要であったのにも関わらず、今度は12速化でコンポーネントとホイールを買い替えなければなりません。

そんなにお金ないんですけど…。

Di2の無線化と無バッテリー

無線化も既にスラムのeTapなどで実現されているので、目新しさはないんですが、デュラエースもようやく無線化を果たすようです。

この図では油圧ブレーキシステムということと、従来通りの大きなレバーを引くことでブレーキが作動すること、大きなレバーと小さなレバーを倒すことシグナルを送るとされています。

Di2を既にお使いの方はご存知ですが、現行のDi2の変速はレバーを倒すことではなく、ボタンです。ポチポチと押すだけで、シフトアップとシフトダウンができます。

なぜ機械式のようにレバーを倒す必要があるのでしょうか。

どうやらそのシグナルを送る為の装置はバッテリー式ではなく、振動やシフトチェンジの動作によって生まれる電気エネルギーで動くようです。ほとんどの部分は振動で賄うことができるんでしょうけれども、それでは不十分な時に動かなくなってしまっては困るので、シフトチェンジに動作を「再び」加えることで、電気エネルギーを生成しようということなのでしょう。

まとめ

これまで憶測で話されていたことは、おおよそ正しいのではないかと思います。これらの特許は2016年、17年には既に出願されており、それからもう3,4年が経過しています。

特許を出願する為には、「確実に動く模型」は必要なく、「構想」だけでも十分とは言え、「夢想」であっては意味がありません。シマノは日本のメーカーですし、恐らく15年には既にこうした構想があって、「そこそこ動く」模型も出来ていたと思われます。

その模型がきっと今頃は量産化体制を整え、プロに供給する準備まで進んでいると思います。恐らく2020年のツールドフランスでデビューしてくると思うので、もう少し待ちましょう!