ケア ライド

スペシャライズドのフィッティング「Retul」のレビュー

みなさんバイクのポジションで悩まれていませんか?

僕は悩んでいませんでした!!

悩んでいないのに、なぜRetul受けた?と思いませんか?

悩んでいないということは、完璧ということではありません!

その真逆で、もう何も考えていない。

維持どころか、後退しているという意味です…。

悩まれている方は素晴らしい!向上心に溢れていますし、是非悩み続けてください。

Retulはそんな悩むことすら辞めてしまった僕に悩むことを思い出させてくれ、今悩まれている方には、正しいポジションへの足掛かりときっとなってくれるでしょう!

Retul

そもそもRetulとは、ライダーそれぞれの状態を考慮して、最適と思われるポジションに近づけていくポジション出しのヘルプメソッドです。

ゆるやかに50kmを走りたい人にはそのようなポジションを提案してくれますし、ケガなどをして前のようには走れない人にも、それに応じたポジションを提案してくれます。

「レース志向ほどでないけれども、シリアス」が僕の今回の立ち位置で、目的としては「スムースなペダリングを身に着け、高出力を出せるようになる」でした。

バイクに触れる部分の測定

Retulのスペシャルな器具を使ってまずはシューズの測定を行いました。

足型と足の甲の長さ、足裏の圧力を測定し、最適なシューズサイズやインソールを提案してくれます。

土踏まずの盛り上がり具合(アーチ)などは自分では分かりにくいので、測定してもらう価値アリです!

僕はアーチずっとミドルだと思ってたんですが、アーチ低めで良いとの結果でした!ただインソールをそのまま踏んでみたところ、アーチサポートがささやか過ぎて、いつもの感覚と違いすぎて、ミドルのままにしてしまいましたけど。

あとは座骨幅を測定します。

圧力盤の上に座り、座骨幅を測定、結果は110mmくらいだったかな、サドルとしては143mmのPower arcが良いとの結果でした。既に使ってたので問題ナシでした!

ヒアリング

次にどのようなポジションを出したいのか目的などを相談していき、求めるポジションをフィッターと共有していきます。

他にもケガ歴や違和感を感じているところなどをヒアリングされます。

僕は特に大きな違和感などはなく、膝の外側靭帯炎になったことがあることだけを伝えました。

ペダリング時に上死点に来た時に膝が内側に(トップチューブ側)入りやすく、そのせいでなってしまいました。

その時くらいからカント角(地面に対する自然な状態の足の裏の角度)を意識するようになり、インソールの改造を始めました。

そんなことをつらつらと20分ほど面談したのちに、アセスメントに入ります。

アセスメント

ここでサイクリングジャージに着替えました。

アセスメントではどのような体の可動域があるかや、自然な状態での角度などを見ていきます。

足の裏の角度、膝を下ろしたときの足首の角度。

ハムストリングスの硬さ、股関節の硬さなどです。

あと前屈もしました。どこの部分が柔らかいのかを確認します。

胸、お腹、腰の3点が曲がりますが、僕はお腹が硬いようでした。

結果的にはハムストリングスの柔軟性もあり、股関節も柔らかいとのことで、深い前傾を取れるカラダはできているとのことでした。

このあたりは感じていたことを、客観的に判断してもらえて、信じる確度が上がって良かったです!

フィッティング

アセスメントまでで1時間半くらいでした。ここからようやくバイクに乗りま…せん!

まずはシューズのクリート位置からです。

専用のバイクで、ステムやサドルを乗りながら、漕ぎながらも変えれる優れものです。

最初は僕が持ち込んだドグマと同じポジションにしてありました。

早速漕ぎ始めて、ペダリングを見てもらいます。

すると少し下死点で踵が上がっているとのことで、サドルを10mm下げられました。

途端に窮屈になりペダリングが難しくなりましたが、実はそれは大きく下げたとのこと。こうすることで、良くない範囲~良い範囲~良くない範囲をしっかり確認し、良い範囲を割り出していくようです。

結果的にサドル高は2mm下がりました。たった2mmですが、結構変わった印象があるので、やはりmm単位でもポジションの修正は効くんだな…と改めて実感しました。

続いてサドル後退幅ですが、基本通りに大腿骨の先端から重りをつけた糸をたらし、3時の位置にある時のペダル位置の真上にくるように調整しました。

比較的前乗り気味でしたが、クリートを下げたこともあって後退幅は10mmでした。

サドル位置とクリート位置が決まると、ここで膝の左右の動きを見ました。

理想的には左右に振れることなく、上下運動することが好ましいです。僕はカント角をつけないと膝が上死点で内側に入るので、カントの調整をインソールに入れるスペーサーで行いました。

1.5mmを一枚ずつ入れた時と、2枚入れた時を試し、2枚(3mm)が良かったので、そちらに決定。

そこから今度は肩幅からハンドル幅を決定します。今まで380mmを使っていましたが、骨自体は420mmと言われ、今回は400mmにしました。使ってみてダメならまた戻せばよいので色々試してみましょう!

そこからステムの長さを調整し、前傾具合やつまり具合をセンサーで見ながら決めていきます。

やはりステムを長くすると、体が開きすぎ、腹圧がかけにくくなるので、力が入りにくいと感じました。一方でステムが短いとつまる感じがあり、最適な長さがあるんですね。最終的にはサドル先端からハンドルまでの長さはこれまでと変わらない長さに落ち着きました。

一方でハンドルの高さは15mm低くしました。最初のフィッティングに比べて体も柔らかくなり、関節の可動域が上がった為より深い前傾が取れるようになっていたためです。

家に帰ってローラー用のバイクも同様に調整しましたが、昨日レースに出た分では37分4.1pwrで踏めていたので、特に新ポジションは問題なさそうです!

実走ではハンドルが下がった分前方投影面積が減っているはずなので、平坦は速くなっているのではないでしょうか。楽しみです。

ここまでもっていくのに、合計で4時間弱、ローラー台の上で2時間強過ごしました。

まとめ

自分の納得とフィッターの感覚を常に対話しながらポジションを煮詰めていきます。リラックスして走る時のポジションではどう感じるか、ペースが上がってそこそこ踏みながらブラケットを持ってエアロポジションを取ったときはどうか?下ハンで巡行するときは?などいろんなポジションを自分で取りながら、ケイデンスを上げてみたり、下げてみたりしながら自分の感触をフィッターに伝え、ポジションを乗りながら動かし、センサーでその時の状態を数値で確認し、良し悪しを数字上で判断します。

とはいえ、数字が100%ではなく、フィッターはライダーの感覚も大事にしてくれるので、ポジションを押し付けられるということはありません。

一方で自分の感覚を伝えな得れば出されたポジションは勝手に決められたモノになってしまいます。もちろんそれが良い場合もありますが、自分の感覚を伝えて微調整していく方がよりよいポジションにたどり着けるのではないでしょうか?

時間をかけるのは、ポジションを変えた瞬間は違和感しかないはずです。でもそこそこの強度で少し走っていると慣れてくるというのもあります。

慣れてきた上で元のポジションにまた戻してみたり、逆に持って行ったり、そういった試行錯誤を繰り返すことで良いところを見つけることができます。

フィッティングで4時間というのは長い方だと思います。もちろん長ければ長いほど良いとは言いませんが、短すぎるよりも良いと感じました。

また問題そんなにないと感じていたポジションも更に煮詰めることができる余地があったことを知れましたし、それによってすぐに劇的に改善されることはなくても、少しでも故障を減らし力強くペダリングできるポジションになっているのであれば、適切な練習ができるようになります。

適切な練習と適切な休息こそが強くなる為の唯一の方法です。

ぜひ皆さんも一度ポジションを見直して、怪我のないロードバイクライフを一緒に楽しみましょう!