ロードバイク用のコンポーネントはシマノ、カンパニョーロそしてスラムがほぼ100%を占めています。その中でもシマノの占める割合は高いです。
シマノからはDura Aceの新型9200系?が今年または来年には発表されると噂されていますが、その新型はSTIとディレーラーの間が無線になり、12速化すると言われています。
無線化の流れはスラムから始まっています。スラムeTapは完全無線を最初に達成したコンポーネントですが、Dura Aceに比べると変速がイマイチという声が多かったのも否めません。
今回はそんなスラムから、全く新しい技術のコンポーネントが特許出願されているので紹介します。
この記事の内容
フロントディレイラーの制約
ほぼすべての技術産業において、特許は非常に強い力を有しています。ロードバイク界においても、単に開発するだけではなく、自社技術を保護する為にも特許出願は必須と言えます。
シマノは特許の分野においても優秀で、フロントディレイラーに関する特許も多く出願されています。その結果、カンパニョーロ、スラムはその特許を回避するようなシステムを組まなければなりません。
その結果、ちょっと残念な変速になってしまっているのかもしれません…。
SRAMから全く新しい機構のフロントディレイラーが出願
SRAMから全く新しいフロントディレイラーに関する機構が出願されました。2020年5月に公開されたばかりの最新のものです。
明細書によると、このフロントディレイラーはフレームの台座に設置される必要がなく、クランク自体にディレイラーが付いているような形態です。この緑とオレンジに塗られているところが、フロントディレイラーに当たります。
どう動くかというと、この緑のパーツが、クランクが6時半~11時半に来た時に、つまりチェーンにテンションがかかっていない時に、インナー側にチェーンを押し、インナーリングにチェーンを落とします。
この緑の二か所はそれぞれ独立しており、無線を早くから始めたSRAMだからこその技術と言えるのではないでしょうか。
一方アウター側にチェーンをいれる際には、オレンジの部分、ペグと呼ばれており、それがまた同様に6時半~11時の間にアウター内から出てくることで、チェーンをインナーリングからアウターリングに持ち上げます。
この6時半~11時にだけ動く機構は、クランクの位置を正確に把握するセンサーによって自動化されるはずなので、今までのように変速のタイミングをライダーがコントロールする必要はなくなります。不適切な時にアウターに入れた時に上手く入らなかった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
このフロントディレイラー機構は、従来のアーム型に比べると複雑です。更にクランク一回の回転につき、一度しかアウター・インナーの変速ができないことは、デメリットと言えるかもしれません。
しかしこれまでのアーム型に比べると、チェーンの動かし方ははるかにスムーズになることが予想できます。これまでの「よっこいしょ」感はなくなるのではないでしょうか。
いつか無線化や12速化を果たした時のように、プロトタイプがどこかでリークされるかもしれません。きっとその日は近いでしょう!SRAM随分最近頑張ってますね、これからもシマノの牙城を崩すべく頑張ってほしいです。