ディスクブレーキのロードバイクが出て早数年。仲間内でもディスクブレーキに乗り換える人が出てきています。ディスクブレーキ用のホイールのラインナップも充実してきて、信用に足る情報も集まってきました。
特に今年はエアロ重視だった2018年(S-WORKS VENGE x ROVAL 64といった)から再度一点し、軽量さとのバランスを取ったオールマイティなものが好まれています。
今のラインナップの中で各社各ブランドのホイールを比較したいと思います。
※スルーアクスル、フロント12×100、リア12×142に対応しているものをピックアップしています。
この記事の内容
1. シマノ – デュラエース C40 WH-R9170
比較の中で一番の僕のオススメはこちらのデュラエースです!
シマノのホイールと言えば、アルミのWH-9000 C24が選んでおけば間違いない!といった名作ホイールでした。
一方、キャリパーブレーキ時代のC40は良くも悪くも特徴のない優等生なホイールという印象です。ユンボウィズマやスカイが使っていたので、決して悪いものではないと思いますが…
一方ディスクブレーキでは、スポークの組み方が良く考えられています。フロントは逆イタリアンでしっかりローター側に剛性を持たせているので、ハードブレーキも安心です!
シマノハブらしい堅牢さは引き継がれており、耐久性が抜群です。セラミックスピードのベアリングなども人気ですが、どうも聞くところによるとベアリングの消耗が早いように思います。
前後重量は1566gで、当然チューブレス対応です。
価格は定価29万円くらいですが、ワイズロードなどの大手サイクルショップで23万円ほど、なんとAmazonで17万円で売られています!
2. カンパニョーロ – ボーラ WTO 33
カンパニョーロ ボーラ WTO 33は、名作ボーラワン35の進化版と言えます。
リムハイトは33mm、少し低く感じるかもしれませんが、横風に強く、エアロプロファイルも決して悪くありません。
軽いリムは軽快にヒルクライムするのに向いています。
リムブレーキ版が1395g、ディスクブレーキ版は1485gですが、おそらくリムは同一の為、ハブがディスクブレーキ対応になったことで重くなかったと考えられます。
つまり、これまで感覚として、ボーラWTO33は1400gを切る軽量ホイールといえます。
特徴あるG3スポーク組はフロントホイールにも適応されており、リムブレーキより負荷のかかるディスクブレーキのハブに対応していると考えられます。
リムはチューブレスレディに対応しており、2-wayfitの為、リムテープが不要です。
チューブレス化の際に使用するリムテープは前後で30gとしても、リムに重量の追加なしにチューブレス化できるのはメリットです。
価格は市場価格で29万円程度、Wiggle等で20万前後、セール時に18万円程度で入手可能です。
3. ジップ 202 NSW クリンチャー/チューブレス ディスクホイール
ゴルフボールのようにリム表面にディンプル加工がされているのがzippホイールの特徴です。
NSWはfirecrestの進化版で、カーボンの積層を見直すことで強度を落とすことなく、重量を削減できています。
リムの高さは32mmで、重量は前後で1475gです。
BORA WTO 33と比べるとスペック上に大きな差は見られませんが、zippはチューブレス化する際にはリムテープが必要になります。
価格は定価46万円と非常に高いですが、海外通販を利用すると30万円程度で入手可能です。
4. エンヴィ – SES 3.4 ディスクホイール
ENVEの最軽量のディスクホイールはこのSES 3.4です。
リムハイトは前が38mm、後ろが42mmで、これまで紹介してきたものよりも少し高くなっています。
クリスキングのハブ仕様のもので、重量は1434gで、上記2つと比べて劣ることはありません。
マウンテンバイクのホイールが得意なだけあって、チューブレスにも対応しておりますが、リムテープは必要です。
価格は定価でENVE製アルミハブで26万円、クリスキングのセラミック仕様は34万円程度です。
5. フルクラム – レーシングゼロカーボン CMPTZN ディスクホイール
カンパニョーロの兄弟ブランド、フルクラムからCULTベアリングハブがリリースされました。
リムハイトは30mmで、リム側のスポークの付け根はshimanoのアルミホイールのようにカーボンラップで補強されています。
重量は1440gでリムハイトから考えると少し重めですが、極太のアルミスポークと大径フランジによると考えれば納得できます。
ハブはUSBベアリングではなく、その上のCULTベアリングです。
カンパニョーロとの兄弟ブランドということもあって、2-wayfitを採用しており、リムテープなしにチューブレス化できます。
価格は定価30万円で、国内デリバリーが始まったばかりですが、海外通販で25万円で購入できます。
6. フルクラム – レーシングゼロカーボンDB
ベアリングが従来のUSBになったモデルは2018年にデビューしており、海外通販で21万円で購入できます。
リムに入る赤が気にならず、ハブのベアリングがUSBでも良ければ価格差を考えるとこちらもアリかもしれません。
7. ジャイアント – カデックス 42 ディスク チューブレス
GIANTは近年、サドル、ハンドルを始め、パワーメーター、ホイール、タイヤ等コンポーネント以外の全てを自社ブランドで確立しようとしています。
その中でもホイールは軽量なことから注目を浴びていました。
リムハイトは42mmながら、重量は1327gに抑えられています。
チューブレスにも対応しており、CADEXブランドのリムテープの使用が推奨されています。
価格は定価32万円です。
軽量ホイールの秘密
これまで紹介してきたように、このくらいのリムハイトであれば1400g前後がメジャーブランドの平均です。
一方で、これよりも軽いホイールを作る、比較的マイナーメーカーもいくつか見られます。
そういったモデルは特にハブの重量を軽くすることで達成しているようです。
逆に言えばそれほどリムではこれ以上の軽量化は難しいということでしょう。
ハブを軽量化するメリットは、カタログ上軽量ホイールに見えること以外に、ほとんどないと考えています。
ハブはホイールとしての性能を発揮する上で非常に重要なパーツです。
カタログスペックでは現れない走行性能は必ず存在するので、単純に軽いホイールに飛びつくことは安物買いの銭失いになりかねないので注意していきたいです。